ソウルフード・酒田のラーメンを伝道する「煮干し中華そば 山形屋」の池田重美・亜希さん 2026

いがったの.

ソウルフード・酒田のラーメンを伝道する「煮干し中華そば 山形屋」の池田重美・亜希さん

酒田を代表するソウルフードの一つが、あご出汁醤油味の「酒田のラーメン」だ。2022年、日本各地で受け継がれてきた多用な食文化を継承し振興するために創設された「100年フード」に認定され、翌2023年には「第1回日本ご当地ラーメン総選挙」で全国1位に輝いた。日本海から水揚げされた煮干しやコンブ、飛島の特産品であるトビウオの焼き干しなどで取った出汁、自家製のモチモチ触感の中細ちぢれ麺、それにフワフワの透き通るような雲呑が全国的に高く評価された結果だった。

1981年に酒田に生まれ、15歳から建築業界で働き始めた池田重美さんも地元のラーメンが好きで、毎週日曜の昼には「ケンちゃんらーめん」を初めとする市内のラーメン屋に通うことが日常化した。25歳で一人親方として独立し、28歳のときには仕事を請けていたのが縁となり、腕試しと技術を磨くため、2〜3年間の予定で上京した。独立したころに結婚した同郷の亜希さんと、小さかった二人の子どもも一緒であった。
仕事の合間には、好きだったラーメンを家族で食べに行った。さらに都内で全国各地のラーメンを食べ歩くうちに、いつかは酒田のラーメン屋のような店をやりたいという気持ちが次第に強くなり、2019年東武スカイツリーラインの竹の塚駅から徒歩13分ほどのところに、あご出汁醤油味の「煮干し中華そば 山形屋」を開いた。本来なら住んでいる舎人公園周辺でお店をやりたかったのだが、探しているうちに駅をまたいだ日光街道寄りの元ラーメン店だった物件にたどり着いた。その結果、ご当地ラーメン総選挙で日本一に輝いた「酒田のラーメン」の流れを汲む数少ないお店の一つとして、地元はもとよりラーメン愛好家にも次第に知られるようになり、さらにSNSなどでオープンを知った評論家の佐高信さんや活動弁士の佐々木亜希子さんが仲間とともにしばしば訪れるなど、酒田出身者にとっても一度は訪れたいお店の一つとして認知されるようになった。(いがったの)

営業時間は11〜14時30分で、土曜は17〜19時45分、日曜は17〜19時30分がそれに加わり、地元のかたやサラリーマンなどに対応したシフトとなっている。土日に家族で来店することが多い地元のお客さんに対しては、50種以上にもなるという週末限定のメニューを考案した。とくに毎週提供されることが多い「シゲちゃんラーメン」は、麺と醤油を酒田から直接仕入れた酒田のラーメンそのものだ。さらに、蟹の季節には素材を豊洲から仕入れて、カニラーメン、カニ・イクラ・カニ味噌三色丼など、酒田で食べたことのあるさまざまな味も展開する。こうして、大好物だった酒田のあご出汁醤油味のラーメンを基軸に、季節の素材を生かした酒田の味を週替わりのメニューで提供しているが、お孫さんを産み育てている二人の子どもには、この仕事に興味を持ちふるさと酒田のラーメンの伝道師として今後やってもらえれば、と考えている。

◇住所:東京都足立区竹の塚3-5-1
◇定休日:月2回の火曜日



定番の「煮干し中華そば」


奥さんもラーメン店に賛同してくれました