光丘文庫デジタルアーカイブ「酒田十景—酒田風景画」 2019

庄内探訪.

光丘文庫デジタルアーカイブ「酒田十景—酒田風景画」

光丘文庫が所蔵する歴史資料のなかから、視覚的に鑑賞できる資料をデジタル化した「ADEAC(アデアック)酒田」は、人物、書物(かきもの)、地図、建造物、その他に分類されている。
1回目に紹介した「酒田駅」は建造物に、今回紹介する『木版 酒田十景』は書物(かきもの)に収めてられており、「酒田風景画」には本間家が店を構える本町通の賑わいが描かれている。


『木版 酒田十景』は、文久年間(1861~1863)に本町の五十嵐仁左衛門が観光案内を目的として、酒田の名所を画家の五十嵐雲嶺(イガラシウンレイ 生没年不詳)に画かせたものである。木版印刷し販売したところ非常に好評だった。
『酒田十景』には、春の「山王桜」、秋の「海向寺月」、冬の「鶴田口雪」といった四季の美しい風景、「本町通景」に見える豪商本間家、その他にも「日和山眺望」「妙法寺鐘」「新井田橋」「高野濱船」「谷地田稲荷」「山王社雨」といった酒田の名所が描かれており、それぞれの画には芭蕉・長翆・清風・公巌などの句や漢詩が添えてあり格調高いものになっている。『酒田十景』の版木十枚は本間美術館が所蔵している。